うしろから4小節目ですね。
この曲を比較的素直に演奏する場合、平行調関係にある2つのキーの「トゥ・ファイブ・ワン」が繰り返し出てきます。
つまり、調号が♭2つのB♭/Gm のキーの場合、Cm7-F7-B♭maj7 と、Am7(♭5)-D7-Gm6(またはGm7)ですね。
したがって、29小節目からの、最後のトニック・マイナーへの進行も同様かと思いきや、決してそんなことはないぞ、と私は声を大にして申し上げたいのであります。
実際に音源を調べてみましょう。
- 1955年の Erroll Gerner :II7
- 1957年の Frank Sinatra (タンゴ風):♭VImaj7
- 1958年の Cannonball Adderley / Somethin' Else:キャノンボールのソロはII7に基づいているようにも聞こえるが、原則としてIIm7(♭5)か?
- 1959年の Bill Evans Trio / Portrait In Jazz:II7
- 1961年、Miles Davis の Blackhawk での実況盤:II7alt
- 同年、Wynton Kelly / Wynton Kelly! :II7
- 1962年、Paul Desmond / Desmond Blue:IVm7
- 1969年、Bill Evans with Jeremy Steig / What's New:II7
- 1972年、Jim Hall-Ron Carter / Alone Together:♭VI7
- 1982年、Sarah Vaughan / Crazy And Mixed Up:♭VImaj7
- 1986年、Wynton Marsalis / Standard Time Vol. 1:II7
- 1988年、Lee Konitz / Solitudes:♭IIIm7/♭VI-♭VI7
- 1989年、Chick Corea Akoustic Band:♭VI7
ほらね。
理論的には、IIm7(♭5)でも問題ありません。しかし、やはり曲の最後の部分ということもあって、心あるミュージシャンの皆々様は必ずしもそのような解釈で演奏していないことがわかります。
皆さんは日頃どのように演奏していますか。