吉岡直樹のジャズ・スタンダード研究

ジャズ・スタンダードについてひたすら書きます。

Now’s The Time の6小節目

インストゥルメンタルの曲なので、以下わかりやすいようキーはFとしましょう。

この小節はどのように演奏しますか。ジャム・セッションなどでは、メロディをF-F-G-C-F(以上8分音符)-B♮(8分音符か付点4分音符など)とし、コードをBdim7のようにするケースが多いように感じます。

ところが、チャーリー・パーカーの演奏を可能な限りあたってみたけれども、F-F-G-C-Fで止めているもの、それに、直前の小節同様F-F-G-C-F-B♭するものもあり、また、コードもソロ部分も含め、Bdim7ではなくB♭7のままの録音が多いようです(ただしBdim7としている録音もある。たとえばVerve盤のもの)。あとテーマで、ピアニストがおそらく即興で3拍目ウラにB♮を叩いているほかは、一貫してこの小節のメロディの3拍目ウラは休符もしくはB♭であり、B♮のものは見当たりませんでした。

では、誰が最初にこの小節の3拍目ウラのメロディをB♮で演奏しているのでしょうか。

私が調べた限りでは、アート・ブレーキ・クインテットによる1954年のバードランドでの実況盤でしょうか。

皆さんは、この曲のメロディ、どの録音で馴染み深いでしょうか。