吉岡直樹のジャズ・スタンダード研究

ジャズ・スタンダードについてひたすら書きます。

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

If I Should Lose You の28小節目

うしろから5小節目です。 この曲はマイナー・キーで始まって平行調のメジャー・キーで終わります。 最後の29-31小節目は、IIm7 | V7 | Imaj7 | と、いわゆる「トゥ・ファイブ・ワン」で終わることが多いです。それに対して、28小節目は、メジャー・キーの「…

But Not For Me の7-8小節目

言いたいことがたくさんある But Not For Me なのですが、この箇所についてはあまり議論になっていない気もします。 メロディは階名「ミ」で伸びていて、次の小節に向かって8小節目の2拍目から四分音符で「ミファソ」とあがって行きます。 7小節目がトニック…

Up Jumped Spring の38小節目

AABA形式のセクションBの6小節目です。 直前の小節がA♭m7 で、ここの小節がD♭7と思っていましたが、ほかのコードがついた譜面を渡されて、「そういえばどうだっけ?」と思ってあらためてきき返してみました。 作曲者本人であるフレディ・ハバードのアルバム …

Almost Like Being In Love の4小節目

この曲の一番解釈が分かれる箇所かと思います。 大雑把に、 ♭IIIdim7 VIm7 VI7 の3つ、およびそれらから派生したものがあると考えられるでしょう。 メロディは、階名「ラーラシ」なので、どれも理論的にはあいます。ただし、VI7にするのであれば、少なくとも…

As Time Goes By の2小節目

たまに、Vm7-V7となっている譜面を見かけます。 記憶が定かではないのですが、キーがFでCm7-C7としている日本で出版された曲集を見たことがあるように思うのです。 もしそうだとすれば、これは、Gm7-C7と書いてあったのを、原稿から出版までのどこかの過程で…

Satin Doll の3-4小節目

テーマ中は IIIm7-VI7 | IIIm7-VI7 | のことが多いですが、ソロ中は、IIIm7 | VI7 | とすることがあるということではありません。それをいうなら、1-2小節目で説明しますから。 今回の議論は、IIIm7をどのスケールで演奏するか、ということです。 原則として…

There Is No Greater Love の13小節目

5-6小節目、すなわちAABA形式のうち最初のセクションAはII7なのはよいとして、2回目のセクションAの5小節目はどうなっているかということです。 ストレート・メロディとの関係からいえば IIm7 でも II7 でもよいはずなのですが、私は、なんとなく II7 でない…

Beatrice の12小節目

オリジナル・キーで説明します。すなわち、Fメジャーで始まって、Fマイナー(同主調)で終わると解釈するものとします。 さて、この曲の12小節目はDm7、すなわちFメジャーからみて平行調のトニック・マイナーなのですが、たまにDmaj7と書いてある譜面を見か…

All The Things You Are の1小節目

All The Things You Are のキーを伝えるとき、例えば「Cマイナーで。」と伝えたら、「あの曲はメジャーで終わるから、マイナー・キー(短調)ではなくメジャー・キー(長調)の曲だ。だから、『E♭で』と言いなさい」といわれている現場に遭遇したことがあり…

Invitation の1-2小節目

一般に、トニック・マイナーのときのスケールは、 エオリアン(ナチュラル・マイナー・スケール) メロディック・マイナー・スケール ドリアン の3つだと私は整理しています。このほか、例外的にハーモニック・マイナー・スケールの場合があるかもしれないの…