吉岡直樹のジャズ・スタンダード研究

ジャズ・スタンダードについてひたすら書きます。

Black Nile のイントロ

この曲は、ウェイン・ショーターの曲の中でも比較的演奏する方なのですが、イントロは曲のなかで1回しか出てこないので、ときどき演奏していないと思い出せなくなってしまうことがあります。

で、あらためて調べてみました。

Fm7 | G♭maj7 | E♭m7 | Fm7 Gm7 |
B♭7 | E♭maj7 | Em7(♭5, 9) A7 | A7 ||

1小節目や4小節目がなかなか聞き取りにくいのですが、再生速度ゆっくりにして、かつループ再生してみたら、今日はこのように聞こえました。前回聴いたときとちょっと違っています(苦笑)。

あと、リズム的には、1小節目と5小節目、ドラムがメロディのリズムに合わせるのはよいとして、オリジナル音源(Wayne Shorter/Night Dreamer)ではピアノではなくベースが合わせています。

メロディのアクセントに誰が合わせるかというのは、色々考え方がありますが、小学生が空き地でやるような下手なサッカーみたいに、リズム・セクションの全員が合わせる、というようなことは避けたいものですね。

さて、このコード進行、機能的にどう説明したらよいのでしょうかね。

7-8小節目は、トニック・マイナー(Dm7)へのいわゆる「トゥ・ファイブ」というのはよいとして、1小節目と3小節目のFm7を、Dマイナーの平行調(Fメジャー)の同主調(Fマイナー)のトニック・マイナーだといえなくもないですが、やはり無理やりな感じはします。

ウェイン・ショーターの他の曲にも当てはまることですが、ビバップハードバップ、それにいわゆる歌もののコード進行のように、機能和声で説明しにくいところが、ショーターのクリエイティブなところなのだと思います。とても魅力的ですね。覚えにくいですけれども。