吉岡直樹のジャズ・スタンダード研究

ジャズ・スタンダードについてひたすら書きます。

IIm7-V7

Come Rain Or Come Shine の13-16小節目

この曲のもっともバリエーションが多い箇所ではないかと思います。 転調していると解釈できる演奏もありますが、混乱を避けるため敢えてメジャー・キーの文脈で書きます。 1950年、Sarah Vaughan/In Hi-Fi:Im6 | Vm7 | VI7 II7 V7 / | IIm7 V7 | 1954年、Di…

Blue Minor の21-24小節目

先日、ジャムでこの曲を演奏するにあたって譜面を渡されたのですが、23小節目のコードが A♭maj7 になっていました。 ところが、Sonny Clark のアルバム Cool Struttin' ではGm7(♭5) です(もちろん、次の小節はC7)。19小節目と混同したのかもしれませんね。…

Beautiful Love の8小節目

この曲は、ほとんどのマイナー・キーの曲と同様、平行調と行ったり来たりしますが、8小節目は、7小節目の並行メジャーのトニック・メジャーから9小節目の元のキーのトニック・マイナーへ進行するところです。 よって、8小節目は9小節目Imへのトゥ・ファイブ…

My Ideal の5-6小節目

なんてことはないのですが、譜面なしで演奏しているとどうすべきか迷うところ。 個人的には、 IIm7-V7 | IIm7-V7 | (VIm7) として、4拍目に♯Vdim7 を入れようか? IIm7-V7 | VIIm7(♭5)-III7 | IIm7-V7 | IIm7 (IIm7/I) VIIm7(♭5) III7 | IIm7-V7 | IIm7 / V7…

My One And Only Love の23-24小節目

AABA形式のブリッジ(セクションB)からセクションAに戻るところです。 ブリッジは長3度上のマイナー・キーに転調していると理解すればよいのだとは思いますが、ここは元のキーに戻るところなのであえて曲全体の(あるいはセクションAの)キーで表記します。…

Someone To Watch Over Me の21-24小節目

この曲は全体的にコードのバリエーションがたくさんあって迷います。でも、あまり迷わない後半について書いてみようと思います。 たまに歌手の人と演奏すると、♯IVm7(♭5)-VII7 | ♯IVm7(♭5)-VII7 | IIIm7 VI7 | IIm7 V7 | のようなコードのついた譜面を渡され…

It Could Happen To You の9-10小節目と25-26小節目

ABAC形式の、セクションBとCのそれぞれ1-2小節目です。ここはまだメロディが共通しているところで(ABAB'形式ということもできるだろう)、メロディはメロディは階名で「ミミ | ミファドレ」となっています。 譜面なしで演奏するとき、ここのコードがいろい…

All The Things You Are の21小節目

ブリッジの後半です。転調しているので、23小節目をImaj7(全体のキーをFm/A♭とすればEmaj7)とした音程で書いています。 いわゆる、メジャー・トゥ・ファイブ・ワンなのですが、トゥのところは、IIm7とは限らず、IIm7(♭5)となることがあります。 All The Th…

Stupendous-Lee の24小節目

突然ジャム・セッションではあまり取り上げないジャズ・オリジナルの話題ですみません。ジジ・グライスの曲で、When Farmer Met Gryce に収録されています。 AABA形式のセクションBの8小節目、つまり、セクションAに戻るところです。 ジャズ・オリジナルなの…

I'll Close My Eyes の3-4小節目

5小節目のVIm7への(広義の)トゥ・ファイブです。そして、その「トゥ」は、VIIm7(♭5)と考えがちです。 その理由として、第一にVIIm7(♭5)はダイアトニック・コードであること。第二に、5小節目の VIm7 を平行調のトニック・マイナーと考えた場合、3-4小節目…

But Not For Me の1-2小節目

私の参加したジャム・セッションでは、ほとんどの場合、 II7 | V7 | で演奏するような気がします。 しかし、そのような演奏は思っているほど多くはないように思います。 1950年、Ella Fitzgerald と Ellis Larkins のデュオ:Imaj7-VIm7 | IIm7-V7 | 1953年…

There Will Never Be Another You の3-4小節目

一見議論の余地がなさそうな箇所と思うかもしれません。よく聴いてみましょう。 1950年、Lionel Hampton:VIIm7-III7-♭VIIm7-♭III7 | VIm7-II7-VIIm7-III7 | (間違えていたら申し訳ないですが) 1950年、Sonny Stitt:VIIm7 | III7 | 1951年、Wynton Kelly…

As Time Goes By の2小節目

たまに、Vm7-V7となっている譜面を見かけます。 記憶が定かではないのですが、キーがFでCm7-C7としている日本で出版された曲集を見たことがあるように思うのです。 もしそうだとすれば、これは、Gm7-C7と書いてあったのを、原稿から出版までのどこかの過程で…

Day By Day の26小節目

この曲をABAC形式とすると、ここはセクションCの2小節目です。 メロディは、前の小節から階名「ラ」の音が1拍目までタイで続いていて、2拍目以下が4分音符で階名「シドレ」です。 ここをサブドミナント・マイナーとしている譜面が多いのですが、実際はどうな…