吉岡直樹のジャズ・スタンダード研究

ジャズ・スタンダードについてひたすら書きます。

As Time Goes By の2小節目

たまに、Vm7-V7となっている譜面を見かけます。

記憶が定かではないのですが、キーがFでCm7-C7としている日本で出版された曲集を見たことがあるように思うのです。

もしそうだとすれば、これは、Gm7-C7と書いてあったのを、原稿から出版までのどこかの過程で、Gm7のGの字がCに化けてしまったのではないか、と想像するのです。

以下、その根拠です。

Vm7-V7が理論上誤りということはないのですが、時台的に考えてIIm7-V7とするのが素直なはずで、実際、『カサブランカ』のサウンド・トラックがそのようになっています。

手元に音源がなかったのでリストには載せませんでしたが、確かデクスター・ゴードンがIVm6-♭VII7のようにサブドミナント・マイナーで演奏していたはずです。チェット・ベイカーもその流れをくんでいるといえますね。