吉岡直樹のジャズ・スタンダード研究

ジャズ・スタンダードについてひたすら書きます。

I've Never Been In Love Before の15-16小節目

この曲のこの部分のように、一度トニック・メジャーに解決してから I7 や Vm7-I7 に進行するか、それとも直接 I7 や Vm7-I7 に進行するか悩む曲は少なくありません。

メロディ、歌詞、その他さまざまな要素があり、また好みが分かれるケースもあります。

  • 1950年、Doris Day:Imaj7 | I7 |
  • 1954年、Art Farmer/Early Art:Imaj7 | Vm7-I7 |
  • 1955年、Cannonball Adderley and Strings: Imaj7 | I7 |
  • 1956年、Chet Baker Sings:Imaj7(/III) | Vm7-I7 |
  • 1957年、June Christy:Fair And Warmer! :Imaj7 | I7 |
  • 1959年、Shirly Bassey:Imaj7 | I7 |
  • 1961年、Oscar Peterson/The London House Sessions:I7 | I7 |
  • 1965年、Frank Sinatra:Imaj7 | I7 |
  • 2013年、Eliane Elias/I Thought About You:Vm7 | I7 |

サンプルが1950年代に集中しているのであまり参考にはなりませんが、この曲に関してはもともと一度トニック・メジャーに解決してから I7 なり Vm7-I7 なりに進行していたということはいえそうです。

あとは好みの問題ということでしょうか。個人的にどちらかといえば Imaj7 に行かないのが好きかも。