吉岡直樹のジャズ・スタンダード研究

ジャズ・スタンダードについてひたすら書きます。

I'll Close My Eyes の27-28小節目

なんともないところなのですが、演奏していて違和感があったので調べてみました。

IIIm7 | VI7 | と書いてある譜面だったのですが、いやまてよ、III7 | VI7 | だったかなとも思ったり、トニックから始まっていたっけなと思い直したりしたもので。

  • 1957年、Dinah Washington/The Swingin' Miss D:Imaj7 / ♯IVm7(♭5) IVmmaj7 | IIIm7-VI7 |
  • 1957年、Kenny Burrell/2 Guitars:Imaj7-♭VII7 | VI7 |
  • 1958年、Sarah Vaughan:I/V / ♯IVm7(♭5) IVm6 | IIIm7-VI7 |
  • 1960年、Blue Mitchell/Blue's Mood:Imaj7-♭VII7 | VI7 |
  • 1961年、Cannonball Adderley/African Waltz:Imaj7 VII7 | ♭VII7 VI7 | (アレンジしてある。ストレート・メロディにはあわない)。
  • 1965年、Jimmy Smith/Organ Grinder Swing:Imaj7/V-IIm7/V | I/V VI7alt/V |
  • 1995年、Keith Jarrett at the Blue Note: The Complete Recordings:比較的自在にやっているが基本的に IIIm7 | VI7 | か。
  • 1996年、Doug Raney/I'll Close My Eyes:Imaj7-IVmaj7 | IIIm7-VI7 |

全てではないけれど、I/Vも含めて、やはり27小節目でトニックに行ってから動くというのが多いようでした。

もちろん、好みの問題なので、IIIm7 | VI7 | や III7 | VI7 | としてもよいのだけれども。

ちなみにIIIm7(♭5) | VI7 | も誤りではないけれども私が当たった限りでは見当たりませんでした。理論的には誤りではありませんが、個人的にはあまり好みではありません。なぜだろう。