吉岡直樹のジャズ・スタンダード研究

ジャズ・スタンダードについてひたすら書きます。

ジャズ・スタンダード研究

On The Sunny Side Of The Street の2小節目

前回、この曲の4小節目を記事にしたときに、2小節目も耳に入ってきまして、気づいたことがあるので記事にしてみます。 ここは基本的に III7 で、1小節目のトニック・メジャーから3小節目のサブドミナント・メジャーをつなぎます。 IVmaj7へ進行する III7 と…

On The Sunny Side Of The Street の4小節目

私の限られた経験ですが、ジャム・セッションにおいて、この部分は、5小節目のVIm7(これは平行調のトニック・マイナーというにはやや大袈裟でしょうか?)への(広義の)「トゥ・ファイブ」(すなわち、転調でないというならセカンダリ・ドミナントとそれに…

Everything Happens To Me の5小節目

私がいつも演奏していて首を傾げるところです。 曲集には、IIm7 / IVm6 ♭VII7 とか書いているんですよね、きっと。あるいは、IIm7 / IVm7 ♭VII7 かもしれない。でも、そういうレコードって聴いたことありますか。 ここのメロディは、すべて8分音符で階名「ソ…

Confirmation の10小節目

AABA形式のセクションAの2小節目はどのように演奏していますか。 キーをFとしたら、Em7(♭5)-A7 でしょうか。 チャーリー・パーカーの演奏、例えばVerve盤のものをきくと、1コーラスに3回あるセクションAのうち、2回目の2小節目である10小節目のみA7、それ以…

Alone Together の9小節目

平行調や同主調の関係にあるキーを行き来するが、ここでは曲の調号に対するメジャー・キーの文脈で捉えるのが良いでしょう。 この小説は♯IVm7-VII7や♯IVm7(♭5)-VII7とする曲集が多いのかどうかわかりませんが、私の周囲ではそのように演奏するケースが大半の…

All The Things You Are の32小節目

転調を繰り返すのですが、冒頭5小節くらいまでと最後の12小節は平行調関係にあるキーにおさまてっいます。 さて、うしろから5小節目ですが、ここは階名「シーラ」なので、トニック・ディミニッシュの(転回形である)♭IIIdim7がメロディに合致します。 古い…

Confirmation のアウフタクト

この曲の最初の音はAではなくCです。 チャーリー・パーカーはこの曲を何回も録音していますが、私がチェックした限り、一貫して1小節目の1拍目のAの半拍前に、その6度下のCの音の8分音符をアウフタクト(弱起)として演奏しています。いずれも比較的はっきり…

Alone Together の42小節目

後ろから数えたほうが早いだろうって? そう、後ろから3小節目、トニック・マイナーに解決する直前です。 トニック・マイナーへ解決するところだから、ふつうにトゥ・ファイブ、すなわち、IIm7(♭5)-V7と演奏しがちですが、それではいけません。なぜなら、メ…

Autumn Leaves の24小節目

Autumun Leaves は、平行調関係にあるメジャー・キーとマイナー・キーの間を頻繁に行ったり来たりするコード進行が特徴的。 素直に演奏するなら21-23小節目は、メジャー・キーの文脈で、IIm7 | V7 | Imaj7 (キーがB♭/Gmの場合、Cm7 | F7 | B♭maj7 | )の…

Autumn Leaves の6小節目

マイナー・キーのV7。キーがB♭/Gmとすれば、D7。 テーマのとき、トニック・マイナーのGmに進行するV7だからといって、無批判にD7(♭9)としてはいけません(ソロのときは構わないと思う)。なぜなら、メロディがD-E-F♯のようになっていて、♭9ではなく、♮9を通…